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SiCパワー半導体向け熱処理装置

日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを宣言、自動車はガソリン車から電気自動車(BEV)への移行が急速に進んでいます。それに伴い、駆動用インバータにSiCパワー半導体が採用され始めています。当社は、高品質で生産性の高い熱処理装置を提供し、SiCパワー半導体の発展に向けて貢献してまいります。

SiCパワー半導体とは

SiCパワー半導体とは、シリコン(Si)と炭素(C)の化合物である炭化ケイ素(SiC)を用いた高性能な電力制御デバイスです。高耐圧、低オン抵抗、高速動作、高温動作という特徴があり、自動車や鉄道、太陽光発電などの分野では、そのエネルギー効率や電力密度の向上、小型・軽量化などのメリットがあります。特に電気自動車(BEV)にSiCパワー半導体を搭載することで、充電時間の短縮や航続距離の延長などの利点が得られます。

プロセスアプリケーション

SiCパワー半導体製造に採用される熱処理装置をラインアップしています。SiCパワー半導体特有の高温活性化アニールやゲート酸窒化をはじめ、各製造工程における熱処理をトータルでサポートしています。

各種プロセスをトータルにサポート

高温イオン注入
カーボンキャップ成膜
活性化アニール
トレンチ構造形成
トレンチアニール(平滑-ラウンド処理)
ゲート酸窒化
ゲート電極形成 Poly-Si
ソースコンタクトホール形成
高温H2アニール
接触金属成膜
コンタクトアニール
ポリイミドキュア
裏面アニール

製品ラインアップ

BEVの急速な普及を受け、各社一斉にSiCパワー半導体の本格量産を開始しました。当社は業界に先駆けて、8”100枚対応の量産装置を市場に投入(活性化アニール・酸窒化)。お客様の量産に貢献する高生産装置をはじめ、ミニロットや研究開発装置も提供しています。

活性化アニール装置

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VF-5300HLP

常用温度1900℃に対応可能なイオン注入後の活性化アニール装置です。
8”に対応し、1バッチ100枚(VF-5300HLP)と50枚(VF-3000HLP)をラインアップ、生産量に応じ選択可能です。
研究開発用として低価格な装置も取り揃えています(VF-1000HLP)。
VF-5300HLPはSMIF対応も可能。
オプションでH2アニール機構を追加すれば、トレンチMOSFETのコーナー部の電界集中を軽減し、チャネル移動度の改善が見込めるトレンチアニールとしても使用可能です。

酸窒化装置

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VF-5300H

常用温度1400℃に対応可能なゲート絶縁膜形成用の酸窒化(NOアニール)装置です。
8”対応可能で1バッチ100枚(VF-5300H、VF5100H)と50枚(VF-3000H)をラインアップ、お客様の生産量に応じ選択可能。
研究開発用として低価格な装置も取り揃えています(VF-1000H)。
炉内はメタルフリー構造を採用、クリーニング頻度を軽減し生産性向上に貢献します。
VF-5300HはSMIF対応も可能。

コンタクトアニール装置

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RLA-4100

常用1200℃対応可能で、NiやAl等の金属とSiCとのオーミックコンタクト層のランプアニール装置です。熱源にハロゲンランプを採用し急速加熱が可能。8”対応可能でサセプター載せ替え機構を標準搭載、SiC・GaNウェーハ等のC to C搬送を実現しています。
搬送部は真空ロードロックに対応したRLA-4100-VとN2ロードロックに対応したRLA-3100-Vをラインアップ。
研究開発用として低価格なマニュアル装置も取り揃えています(RLA-1200-V)。